【お気に入りの本(ライトノベル編)】お気に入りの本を紹介する、こちらの企画。最終回は、ライトノベル編です。<『外法師 鵺の夜』毛利志生子 >【あらすじ】時は平安。嵯峨野の山中に住む「水守」の少女玉穂は、火事で父を亡くしたショックで、十歳のまま成長が止まってしまった。父の跡を継いで聖なる井戸を守り、呪術の依頼を受ける暮らしをしている。あるとき玉穂は、都の陰陽師、賀茂道平の訪問を受けた。懐妊中の中宮、妍子が何者かに呪詛されているのだが、実は道平は呪術が使えないのだという。玉穂はさっそく宮中に入り込むが……。外法師 鵺の夜|集英社Webマガジンコバルトhttps://cobalt.shueisha.co.jp/read/mouri...私が初めて購入したライトノベルです。鮮やかな色彩と、和風な表紙に惹かれて手に取りました。内容も文章も、非常に私好みの作品です。まず、時代考証を丁寧にされていると感じました。平安時代に実在した人物が登場します。そこに呪術という不可思議な要素が入り込むと、一気に物語の世界へ。玉穂自身も格好良いのですが、当時の私が一番気に入っていたのは別の人物でした。玉穂の側にはいつも綺童丸という大男がいて、彼は陰になり日向になり彼女を守ってくれます。この二人の甘すぎない関係が良かったのです。今思うと、この二人が私の「青年と少女のコンビが好き」の原点のように思います。<『キノの旅 the Beautiful World』時雨沢恵一 >【あらすじ】「キノはどうして旅を続けているの?」 「ボクはね、たまに自分がどうしようもない、愚かで矮小な奴ではないか? ものすごく汚い人間ではないか? なぜだかよく分からないけど、そう感じる時があるんだ……でもそんな時は必ず、それ以外のもの、例えば世界とか、他の人間の生き方とかが、全て美しく、素敵なものの様に感じるんだ。とても、愛しく思えるんだよ……。ボクは、それらをもっともっと知りたくて、そのために旅をしている様な気がする」―――短編連作の形で綴られる人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。今までにない新感覚ノベルが登場!キノの旅 the Beautiful World | 書籍情報 | 電撃文庫・電撃の新文芸公式サイトhttps://dengekibunko.jp/product/kino/312...「世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい」というフレーズで有名な作品。2020年に、20周年を迎えた名作です。短編連作の形で綴られており、キノたちは毎話違う国を訪ねます。国ごとに独自の制度や技術、風習が描かれ、寓話の要素を持っています。キノは教訓めいた言葉を発することも、感情露わに正義を振りかざすこともありません。淡々と世界を見つめる彼女の在り方が、とても好ましいと感じます。私が一番好きなライトノベルです。【以下、余談】拙作『黄泉路の旋律』は、こちらの作品を意識して書きました。内容は全く異なりますが、 ①連作短編である。 ②教訓や風刺の要素が入っている。 ③毎回違う脇役(ゲスト)が登場する。 ④主役の話し方が淡々としている。などが、影響を受けている点として挙げられます。自己紹介を兼ねた記事は、一旦ここで終わりです。……自己紹介になったんですかね?(今更)この記事をまとめているうちに、自分の「好き」の原点を思い出しました。昔の読書経験が今の「好き」に繋がっていたんですね。思い出す機会をくださった皆様に感謝です。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。 2023.11.10(Fri) 23:40:34 日記
お気に入りの本を紹介する、こちらの企画。
最終回は、ライトノベル編です。
<『外法師 鵺の夜』毛利志生子 >
【あらすじ】
私が初めて購入したライトノベルです。
鮮やかな色彩と、和風な表紙に惹かれて手に取りました。
内容も文章も、非常に私好みの作品です。
まず、時代考証を丁寧にされていると感じました。平安時代に実在した人物が登場します。
そこに呪術という不可思議な要素が入り込むと、一気に物語の世界へ。
玉穂自身も格好良いのですが、当時の私が一番気に入っていたのは別の人物でした。
玉穂の側にはいつも綺童丸という大男がいて、彼は陰になり日向になり彼女を守ってくれます。この二人の甘すぎない関係が良かったのです。
今思うと、この二人が私の「青年と少女のコンビが好き」の原点のように思います。
<『キノの旅 the Beautiful World』時雨沢恵一 >
【あらすじ】
「世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい」
というフレーズで有名な作品。
2020年に、20周年を迎えた名作です。
短編連作の形で綴られており、キノたちは毎話違う国を訪ねます。
国ごとに独自の制度や技術、風習が描かれ、寓話の要素を持っています。
キノは教訓めいた言葉を発することも、感情露わに正義を振りかざすこともありません。
淡々と世界を見つめる彼女の在り方が、とても好ましいと感じます。
私が一番好きなライトノベルです。
【以下、余談】
拙作『黄泉路の旋律』は、こちらの作品を意識して書きました。内容は全く異なりますが、
①連作短編である。
②教訓や風刺の要素が入っている。
③毎回違う脇役(ゲスト)が登場する。
④主役の話し方が淡々としている。
などが、影響を受けている点として挙げられます。
自己紹介を兼ねた記事は、一旦ここで終わりです。
……自己紹介になったんですかね?(今更)
この記事をまとめているうちに、自分の「好き」の原点を思い出しました。
昔の読書経験が今の「好き」に繋がっていたんですね。
思い出す機会をくださった皆様に感謝です。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。