【短編】黄泉路の旋律 夫を亡くした女の話(2) 気づけば女は自室にいた。手に持っていたはずの懐中時計はない。机の中から自身の日記帳を取り出し、最後の頁を確認する。夫が死んだ一年前の日付だった。 夢見心地のまま、玄関へ足を進める。家の前では慌ただし... 2023.09.09 2024.04.21 【短編】黄泉路の旋律
【短編】黄泉路の旋律 夫を亡くした女の話(1) ちりん。 誰の涙雨か。次第に激しくなる天候の中、大通りを進む葬列がある。先導するのは親類縁者の男たちだ。駕籠かきが籠と棺を担ぎ、提灯、花、放鳥、香炉を持った者が順に続く。位牌を持っている男が喪主だろ... 2023.07.17 2024.04.21 【短編】黄泉路の旋律